RPAを実装する前に行うべきポイント整理
Ryan Raiker
8月12日, 2020
RPA(Robotic Process Automation)が技術の進歩を推進していることは、今となっては秘密ではありません。 スループット率の向上、プロセスの順守、時間節約の機会などのメリットにより、ますます多くの企業がRPAを採用しています。
2025年までに、企業はRPAを使って、5兆ドルから7兆ドルの潜在的な節約を達成すると予想されています。これは、適切なプロセスと組み合わせると、時間とコストを大幅に削減できるためです。しかしながら、企業が自動化の機会の50%を見逃し続けることも依然として予想されています。 なぜ企業はRPAの実装をためらっているのでしょうか?
一見したところ、すべてがメリットであるため、企業がRPAの機会を逃してしまう理由は理解できません。 以下のグラフは、企業がRPAを採用しない上位7つの理由を示しています。 RPAを採用しない主な理由は、会社の最も基本的なプロセスを理解していないことであり、特に、41%はビジネスプロセスがクリアになっていないことをRPAに舵をきれない理由として挙げています。
考慮せねばならない最も重要なことは何でしょうか?
インテリジェントな自動化には、ビジネスモデルを変革し、大小の組織の変化を加速する力があります。 最も重要な考慮事項は戦略です。 インテリジェントな自動化により、コスト削減に取り組むことは可能です。しかし、インテリジェントな自動化をより広範な戦略的ツールとして活用すると、さらに多くのものを得ることができます。
自動化を行うために正しいプロセスが選択されていることを確認する目的、つまり、プロセスがRPAの適切な候補であるかどうかを識別するために、以下のチェックリストは役立ちます。
RPA チェックリスト
- このプロセスは、判断に基づく決定ではなく、ルールに基づく決定に従う
- このプロセスは反復的であり、人的ミスが発生しやすい
- このプロセスは一連の明確な指示に従う
- 入力データがある場合は、デジタル化するか、OCRなどの方法を使用できる
考慮すべきその他のこと
- プロセスの量が多く、複雑度が低いかどうか
- プロセスにはデータ操作が含まれるか
- プロセスは不具合、例外の発生率が高いか、不具合、例外が発生したときに影響が大きいか
- プロセスは24時間7日間稼働しっ放しか
さらには、RPAをビジネスオペレーションに実装する前に、新しく実装されたロボットワーカーの影響を十分に考慮しましたか? これらの質問に答えることで、RPAを最大限に活用し、優れた投資収益率を得ることができます。 これらの質問のいくつかが見落とされている場合、効果がでなかったり、最悪実装が無意味になってしまったりする可能性があります。
- このRPAプロジェクトに組織全体のビジネス主導のビジョンが定義されていますか?
- 組織全体に対して、このシステムの統合、RPAを使った改善は周知されていますか?
- RPAの最適な候補としてこのプロセスは選択されていますか?
- 投資対効果(ROI)は考慮されていますか?
- いつ、投資対効果をプラスにする予定ですか?
- このプロセスは適切に選択され、文書化され、完全に最適化されますか?
- 自動化されたプロセスは、ビジョン、望んでいる価値と一致していますか?
- 成功を測定するための主要業績評価指標(KPI)は定義されていますか?
- 新しいRPAシステムを管理するトレーニングを受けるのは誰ですか?
- 新しいRPAシステムにアクセスできるのは誰ですか?
- RPAは、企業の基盤となるアーキテクチャおよびインフラストラクチャの下でしっかり動きますか?
- RPAシステムは、今後登場するテクノロジーとうまく統合されますか?
- ナレッジ共有、管理のための具体策はお持ちでしょうか?
- セキュリティ、セキュリティ違反は考慮されましたか?
- ロボットに不具合がある場合の予備プランはありますか?
- どのくらいの頻度で、現在のビジネス要求に沿ってロボットが確実に運用されているか確認するよていですか?これを簡単に行う方法を考えていますか?
「RPAを正しく導入することは難しい」とその分野の専門家たちには言われています。理由は、計画が不正確であるために、約半分の自動化の機会がそもそも失われているためです。手動でのプロセス評価がいまだに一般的なRPA導入前のプロセス発見アプローチとなっていますが、プロセスマイニングを超えるプロセスインテリジェンスと言われるより良い方法があります。
プロセスインテリジェンスとRPAを共に活用することで、以下のことが可能となります。
1. 準備段階でRPAの実装に適したプロセスを特定する
2. 効率的にそして自動でエンドツーエンドでの業務プロセスの監視、構築、管理が可能。複数のバックエンドシステムを伴う管理、制御も可能。
3. 運用のエラーと非効率の数を減らし、前向きな結果を保証する
4. RPAパフォーマンスの監視と分析を提供し、実装後のフェーズでRPAの継続的な改善を促進する
無償の電子書籍「Robotic Process Automation: Understanding the “Future of Work” And Transforming Your Business」ENG – この本は、全社的にRPAを正しく実装する助けとなるようなベストプラクティスをおさめています。
今回伝えたかったことをまとめますと、以下となります。
- RPAがどの業界でも目立ったトレンドである理由
- RPA投資を最大限に活用するためにプロセスインテリジェンスを活用すべき理由
- RPAの実装を成功させるという目的達成に向け、探すべき主な障害とそれらを克服する方法を知るために問うべき正しい質問
- どのプロセスがRPAに適しているかを識別する方法
- RPA実装前の課題を克服するためのヒント
- 継続的な改善のため、そして良い方向へ結果を導くモニタリングのための結果の評価法