プロセスマイニング・インテリジェンスはDX(デジタルトランスフォーメーション)成功に必要か
Ryan Raiker
10月14日, 2020
マッキンゼー(英語記事) が調査した企業の80%はDX(デジタルトランスフォーメーション)を企業の最優先事項と考えていますが、70%近くが期待に応えていません(英語記事)。
そのような結果に至ってしまっているのにはいくつかの要因(英語記事)があります。おそらく最も説得力のある理由は、ビジネスプロセスが実際にどのように実行されるかについての可視性の欠如です。 ビジネスプロセスのすべてのコンポーネントを完全に理解しないと、企業は弱点がどこにあるのかを特定し、改善を計画する能力を失います。 現代経営理論の創設者であるピータードラッカーが言ったように、やはり、「測定できないものは管理できません」。
ABBYY プロセスインテリジェンス は、現行のプロセスを見つけ、どのように動いているか測定し、プロセスのボトルネックを特定し、4つの基本的な柱に基づいてプロセス最適化を行うための領域を見つけられるように設計されています:
- さまざまなシステムでのビジネスプロセスの実行に関連する記録からのイベントデータにより「デジタルツイン」の作成
- あらゆるプロセスタイプ、特に非常に変動性の高いケース管理プロセスのパフォーマンス分析
- ビジネスユーザーがプロセスのボトルネックに気づき、改善できるようにするプロセス動作のリアルタイムの運用監視
- ユーザーがプロセス実行の初期段階でプロセスインスタンスの結果またはパフォーマンスをプロアクティブに特定するためのAI/機械学習ベースの予測分析
ビジネスプロセスでの「デジタルツイン」の作成
プロセスインテリジェンスの基本は、発生したイベントログを詳細なレベルで分析することです。常に、イベントログには、オブジェクト(送信されたオーダー、患者の出発、アジャスターの割り当て、チケットのエスカレーションなど「何をおこなったか」)とタイムスタンプ(オブジェクトの存続期間中の「いつそのアクションはおこったか」)、およびイベントを識別するID(オーダーID、請求書番号、請求ID、患者の遭遇番号など)の3つが含まれます。
ビジネスプロセスに関連付けられたイベントログは、さまざまな記録システムにまたがり、デジタルソースと物理ソースの両方から前例のない量のデータを生成します。ETL(抽出、変換、読み込み)ツールを使用してイベントログにアクセスすることは1つのオプションですが、データの準備、加工、正規化にはかなりの専門知識が必要で、時間がかかります。
ABBYY プロセスインテリジェンスには、生のイベントログデータを記録システムから直接ロードして即座に分析できる、より効果的な方法が組み込まれています。これにより、IT担当者の支援が必要な複雑なETLおよびデータ加工、結合ツールを使用してデータを前処理する必要がなくなります。 リアルタイムで増分データだけをロードすることで、ユーザーに大きな柔軟性を提供し、プロセス実行の継続的な検知と分析をサポートすることで、企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させます。
あらゆるプロセスタイプ、特に非常に変動性の高いケース管理プロセスのパフォーマンス分析
多くの場合、プロセスの検知と分析において、最も困難でありながら最も影響力のある領域は、ケースベースのプロセスです。たとえば、コールセンターの運用、医療管理、請求処理などの顧客対応プロセスです。
顧客へのサービスレベルの向上は、顧客エンゲージメントプロセスの摩擦を最小限に抑えることを意味します。 プロセスのボトルネックを視覚的に表示し、プロセスの非効率性の根本原因を浮き彫りにすることで、すべてのステップでプロセスのパフォーマンスを理解し、プロセス改善の領域を、ときには見えていなかった領域を簡単に特定できます。たとえば、ヘルスケア従事者は、患者とのやり取りを改善し、無駄を減らし、効率を高め、プロセスを最適化するために、それほど複雑ではない状況で、より多くのことを行うよう求められています。 他には、顧客のコールセンターの運用における継続的な改善です。問題や報告の登録プロセスのボトルネックを特定して最適化したり、SLA違反を明らかにして回避したりします。
ABBYY プロセスインテリジェンスは、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)や自動化を考えるにあたり、最も影響の大きいプロセスインスタンス(プロセスの中の一作業)を簡単に識別、定量化、およびターゲットにするのに役立ちます。
ビジネスユーザーがプロセスのボトルネックに気づき、改善できるようにするプロセス動作のリアルタイムの運用監視
プロセスがどのように動作するかを洞察し、視覚化することで、企業は非効率性を改善することが可能です。以下の3つのポイントを通じて、自動化すべきところとそうでないところの区別、と組み合わせ、そしてプロセスのどの側面を標準化する必要があるかについて、情報に基づいた意思決定を行うことが可能となります。
- プロトコル分析 - プロセスルールに従っているか、条件に沿っていないプロセスの特定
- アラート(警告)機能 -適切なスタッフに警告を伝えるか、修正を自動化してプロセスが適切に機能するよう修正を自動化して、進行中のモニタリングで問題発生する前に不良プロセスを排除する
- 自動比較機能 - プロセスの前後のインスタンスを自動的に比較して、プロセスの改善が計画どおりに機能しているかどうかを確認
ユーザーがプロセス実行の初期段階でプロセスインスタンスの結果またはパフォーマンスをプロアクティブに特定するためのAI/機械学習ベースの予測分析
ピータードラッカーがよく引用するアドバイスの1つに「未来を予測するベストな方法はそれを作ること」があります。プロセスインテリジェンスにより、プロセスの動作を継続的に可視化することが可能です。ですので、プロセスインテリジェンスによる洞察に基づいて、トランザクションコストの削減と顧客サービスレベルの向上を生み出すことが証明されているビジネスプロセスに焦点を当てることにより、プロセスの最適化が持続可能な競争上の優位性を生み出す方法を再考しましょう。次に何が起こるかを確認できるだけでなく、問題が発生する前に問題やコストのかかる間違いを回避するための解決策を処方できたらどうでしょうか。それが、デジタルトランスフォーメーションの究極の目的である、将来のプロセス状態の予測です。プロセスマイニングと機械学習および人工知能を組み合わせることにより、企業は高度に統合され完全に自動化された洞察を実現し、将来の状態のプロセスを予測して、ポジティブな結果を確実にするための行動をとることができます。
この分野の第一人者であるProf. Dr. ir. Wil van der Aalst と共にプロセスマイニングからプロセスインテリジェンスへの道のりについて詳しく学びましょう。
Prof. Dr. ir. Wil van der Aalst は組織がビジネスプロセスを可視化し、客観的で測定可能な基準に基づいて、情報に基づいた最適化の意思決定を行えるようにすることを人生の仕事としていると仰っています
ABBYYのWebinarに登壇頂いたビデオはこちら。プロセスを明らかにし、改善し、それによってビジネスの俊敏性を実現することで、プロセスマイニングの継続的な進歩がDX(デジタルトランスフォーメーション)の旅にどのように役立つかについての洞察を得ましょう。
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