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OCR vs IDP: その違いとは?

Slavena Hristova

September 21, 2023

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OCRとは?
IDPとは?
OCRとIDPの違いとは?
ビジネスプロセスにおけるOCRとIDPの使用例
OCR vs IDP: 貴社のビジネスに最適な導入手段とは?

光学式文字認識(OCR)は、主に文字を認識し、テキストのイメージ画像を編集可能なテキストに変換することに焦点を当てています。一方、インテリジェント文書処理 (IDP) は、OCR 技術を他のインテリジェント処理手法と統合することにより、OCR を一歩進めたものです。これにより、文書管理とワークフローのプロセス全体を自動化することができます。

OCRが導入される前は、データをコンピューターシステムに取り込むために、手作業でテキストを入力する必要がありました。OCRソフトウェアは、画像内の文字を分析し、それらを抽出し、機械が読み取り・編集可能なテキストに変換します。IDPは、OCRを組み込んで文字を認識し、人工知能(AI)と機械学習を使ってテキストを読み取り、解釈し、価値ある情報を抽出して、その情報を人間のように処理します。この技術は、例えば、請求書を確認して支払いのために転送するといったビジネスプロセスを完了するために使用されます。IDPは、定型・非定型を問わず、多様なコンテンツを扱っているため、文書主体のワークフロー全体を自動化することができます。これにより企業のデジタルトランスフォーメーションへの道が切り開かれます。

OCRとは?

OCRは「光学式文字認識(Optical Character Recognition)」の略称です。OCR技術は、スキャンされた文書や画像のテキストを読み取り、分析・抽出し、機械が読み取り可能なテキストに変換するために使用されます。 印刷された書籍や記事のデジタル化、請求書や領収書などの紙媒体の文書を扱う業務プロセスにおいて、テキスト内容を編集、検索、電子的に保存できるようにするために広く活用されています。OCR 技術は、インテリジェント文書処理 (IDP) など他のアプリケーションと連携して、より広範なインテリジェント オートメーション プロセスの一段階として機能します。

仕組み

OCR 処理は、情報抽出したいファイルから始まります。このファイルは、スキャンされた文書、PDF、または紙の書類の写真など様々です。最新の OCR プラットフォームでは、自動的に画質を向上させたり、コントラストを追加したり、解像度を上げたりして、精度を高めることができます。次に、OCR アルゴリズムは、あらかじめ学習された抽出モデルを使用して、画像内の単語や行を識別し、認識された個々の文字を抽出します。

抽出されたデータは、既知の文字や記号を表す定義済みのパターンやテンプレートのセットと照合されます。その過程において、機械学習やニューラルネットワークなどの技術を組み込んで認識精度を向上させながら、異なるフォントや言語、表やリスト、バーコードなどの複雑なレイアウトに対応するための調整を行います。問題が発生した場合は、人間による評価を行うためにフラグを立てることも可能です。文字認識プロセスが完了したら、スペルチェック、文脈分析、言語モデリングなどを使ってエラーをチェックしながら、精度を向上させていきます。その後、OCRソフトウェアが最終的な機械可読テキストを作成したら、コンピューターシステムへの統合が可能となります。

OCRのメリット

OCRは、文書を多用するあらゆる業界にとって不可欠な技術です。従業員が日々行っている現行の文書処理業務に取り入れたり、アーカイブをデジタル化したりすることができるだけでなく、医療文書や物流文書など大量の文書を処理してアクセス可能なデジタル文書保管庫を作成することも可能です。

さまざまな方法で、OCR ツールはビジネスに利益をもたらします。

  • 生産性とパフォーマンスの向上。データ入力や再入力が必要な手作業を減らします。約300~500語の一般的な文書を手動でコピーするのには約10分かかりますが、OCRならこの作業を約10秒でこなし、物理的な書類作成に費やす時間を75%削減できます。
  • 99.8%という高精度。ミスを犯しがちな人間よりもはるかに正確です。
  • セキュリティの向上とコンプライアンスの改善。物理的な文書は紛失、盗難、破損の可能性が高く、書類のデジタル化は、より安全な保管が実現します。さらに、画像ベースのデジタル文書(スキャン、画像のみのPDF)は、OCR を適用しなければ検索ができないため、アクセシビリティ要件を満たしません。
  • コスト削減。OCRソリューションは、正確なデータキャプチャと効果的なデジタル化を実現し、プロセスを阻害するような高額な人為的ミスやそれに伴う罰則のリスクを低減します。

OCRソリューションの一般的な使用例としては、大量の紙文書やデジタル文書をアクセシブルで検索可能なフォーマットに変換することで、政府や企業の規制へのコンプライアンスを促進する組織、検索、eDiscovery、データ分析のために紙の契約書を編集可能なデジタルフォーマットに変換する法律事務所、HIPAAコンプライアンスを維持するために患者の記録をコンピュータシステムに転送するヘルスケア企業などが挙げられます。 図書館や公文書館では、歴史的文書をデジタル形式で保存することで、スタッフが日々のさまざまな文書関連業務を効率的に行えるようにします。ソフトウェア開発会社では、コンテンツサービス、デジタルアーカイブ、文書管理システム(DMS)、エンタープライズコンテンツ管理(ECM)ソリューションなどを開発しています。

IDPとは?

インテリジェント文書処理(IDP) は、あらゆる業界のあらゆるプロセスにおいて、ビジネス文書に埋め込まれたデータを自動的に取り込み、抽出・処理することで、文書のストレートスルー処理を可能にします。

仕組み

IDPは、光学式文字認識(OCR)をを活用して、印刷物や手書き文字をテキスト化し、コンピューターが読み取れるフォーマットに変換します。さらに、人工知能(AI)と機械学習(ML)の技術を応用して、定型、準定型、非定型データの文書を人間のように読み取り、理解・処理します。

IDPは、機械学習モデルを使用して、文書をその内容、レイアウト、その他の特徴に基づいて異なるカテゴリーに分類します。例えば、請求書は「請求書」、契約書は「契約書」といったように分類されます。分類された文書は、事前に学習された抽出モデルに取り込まれます。抽出モデルは、人間のような方法で文書内のデータを分析・理解し、ビジネスクリティカルな情報を抽出することができます。データは、指定されたルール、例えば会社の顧客データベースなどと照らし合わせて検証することができ、問題が発生した場合は、人間による評価を行うためにフラグを立てることができます。ヒューマン・イン・ザ・ループ(HITL)と呼ばれるこのフィードバックは、手動修正に基づいて継続的に学習と改善を繰り返します。

自然言語処理(NLP)を組み込むことで、このテクノロジーは読み取った情報の文脈を解釈することもできます。例えば、「ジャガー」という言葉は、動物のジャガーを指しているのか、それとも車メーカーを指しているのかを判断します。あるいは、「訴える」という言葉が、人が何かを訴えかけること指すのか、それとも法的行為を指すのかを判断します。NLPを適用することで、これまで認識が難しかった非構造化データの特定と抽出をかつてないレベルで実現します。NLP を活用した IDP は、あたかも人間の脳のように、変化する入力に素早く適応し、最良の結果を導き出すことができます。この種の高度な技術は、インテリジェントオートメーションまたはハイパーオートメーションと呼ばれています 。

The IDPプラットフォームは、ERPやCRMなど、さまざまなビジネスシステムに簡単に統合することができます。新しいローコード/ノーコードのプラットフォームを活用すれば、シチズンデベロッパー (非エンジニア開発者) でも、大規模な IT インフラ構築や保守をクライアント側で行う必要がなく、IDP テクノロジーを数日で導入することが可能です。

IDPのメリット

あらゆる業界において、企業は、より少ないスキルリソースで、より多くのことを、より迅速にこなさなければならないというプレッシャーに直面しています。企業は収益、利益率、定着率を向上させる鍵として、顧客と従業員の体験を改善することに注力しています。インテリジェント文書処理(IDP)は、その両面で大きなメリットをもたらし、企業のデジタルトランスフォーメーションを成功に導きます。

IDPテクノロジーは、人間がドキュメントを理解し管理する方法を忠実に模倣しており、時間とコストを節約しながら、コストのかかるエラーのリスクも軽減します。

IDPの大きなメリットは以下の通りです。

  • 時間の節約と効率の向上。特に、金融サービス、医療、物流、法律など、大量の事務処理を行う業界において、IDP は大きな威力を発揮します。IDPを使えば、請求書の処理時間を90%も短縮でき、従業員の生産性は400%向上します。同社はABBYYのインテリジェント文書処理を使用して、平均1~2日かかっていた請求書の処理時間をわずか1時間に短縮しました。
  • 精度の向上。機械は人のように注意散漫になったり疲れたりして、コストのかかるミスを犯すことはありません。IDPによって、エラーが減り、より迅速なオペレーションが実現します。
  • カスタマーサービスの向上。処理時間の短縮、より正確なデータ処理、顧客からの問い合わせへの迅速な対応は、全体的なカスタマーエクスペリエンスの向上に貢献し、顧客満足度とロイヤルティがアップします。
  • より迅速な意思決定。文書を迅速に処理し、インサイトを抽出することで、IDPはより迅速な意思決定を可能にします。これは、金融やカスタマーサービスなど、タイムリーな意思決定が大きな影響を与える業界にとって特に有益です。
  • セキュリティとコンプライアンスの向上。IDPでは、文書が確立された規則や規定に従って処理されるようにすることで、コンプライアンスの強化を図ることができます。
  • 拡張性。業務が拡大するにつれ、処理すべき文書の量も増加します。IDPソリューションは、容易に拡張ができ、より大量の文書を処理できるため、拡大の規模に応じて人件費を増加させる必要もありません。
  • 会社のワークフローに簡単に統合。IDPは他のデジタルシステムやワークフローとの統合が可能で、社内各部署や組織全体のビジネスプロセスをシームレスかつ効率的にデジタル化できます。

OCRとIDPの違いとは?

光学式文字認識(OCR)は古くから存在する技術で、文書キャプチャに関連する技術として知られています。OCR は主に、紙の書類、スキャンされた画像や写真からテキストを抽出して、コンピュータで編集可能なデジタルテキストに変換するために用いられます。

この技術は一般的に、印刷された文書をデジタル化して電子的にアクセスできるようにするために使用されます。例えば、スキャンした手紙をアップロードし、受取人の名前や住所の変更ができます。しかし、OCRはテキストの意味を理解することはなく、ただ文字を認識することに重点を置いています。

一方、IDPは、より幅広い機能とテクノロジーを搭載していて、よりスマートな処理を実現します。IDPは単にOCRによる文字認識だけでなく、人工知能(AI)や機械学習も取り入れられており、テキストの意味を読み取り、その価値に基づいて決定を下し、それをどう扱うべきかを把握することができます。

例えば、請求書を読み取り、それに関連する発注書と比較し、合計が正しいかどうかを比較した後で、支払い処理を行う財務責任者に転送ができます。IDPは複雑な文書タイプを扱い、人間のように定型、準定型、非定型データを処理できます。また、機械学習によって失敗から学ぶこともできます。

  OCR IDP
役割 文書のスキャンや画像を「読み取り」、機械が読み取ることのできる検索可能な文書やテキストに変換します。 定型(フォーム)、準定型、非定型文書から意味のあるデータを抽出し、インテリジェントな自動化が実現します。
仕組み AIアルゴリズムを適用し、アナログの紙文書をデジタルテキストに変換します。この変換には、文書構造とセグメンテーション (テキスト、画像、表、バーコード、チェックマーク、署名、罫線、文字、フォント、フォントサイズ、言語など) が含まれます。 OCRによって提供されたフルテキストを入力の基盤として使用し、人工知能(AI)、自然言語処理(NLP)、機械学習(ML)の正規表現、ルールを適用して文書内の情報を理解し、タグ付けされた意味のあるデータを抽出します。これらのデータは、情報に基づいた意思決定のために下流のビジネスアプリケーションに送り出すことができます。
テクノロジー 画像強調 オブジェクト検出 OCR / ICR
    • 分類
    • 深層機械学習
    • 高速機械学習
    • 抽出ルール
    • セグメンテーション
    • 固有表現抽出 (NER)
    • 自然言語処理(NLP)
代表的な使用例 機械が読み取れる、アクセス可能なテキストへと変換し、以下のような処理の基盤となります。PDF変換 デジタルアーカイブ/検索 eディスカバリー 高度な検索/デジタルフォレンジック データ分析 インテリジェント文書処理(IDP) 次に挙げるような文書主体のビジネスプロセスを自動化します。 支払業務プロセスの自動化/お客様登録処理/KYC 融資処理 輸送・物流文書の自動化/保険金請求処理の自動化

ビジネスプロセスにおけるOCRとIDPの使用例

請求書処理

自動化された請求書処理は、手作業による請求書処理よりもはるかに速く、請求書処理にかかる時間を81%も短縮するこができます。その結果、支払遅延が減り、早期支払割引を利用する機会が増えていきます。また、監査手続きも迅速になります。例えば、国際的な卸売会社であるMetroAGは、請求書の処理サイクルを90%短縮できました。

フォーム処理

どの業界にも、処理が必要なフォームが多数あります。保険分野では保険金請求書、物流分野ではドライバーの日誌や納品書、銀行分野ではクレジットカードの申込書や住宅ローン・融資の書類などです。フォームの自動化は、情報を読み、処理し、ワークフロープロセスに転送する時間を短縮することを意味しています。コストや時間がかかり、ミスも起こりやすい手作業のデータ入力を排除し、パフォーマンスを向上させ、効率を高めます。

お客様登録処理

調査によると、90%の企業において、潜在顧客が登録するプロセスへのデジタル化が行き届いておらず、「時間がかかりすぎる」「データ入力が多すぎる」という不満の声が多くあがっています。

インテリジェント文書処理で、デジタル化がうまくいかない原因となるボトルネックを解消することができます。企業はIDP技術を利用して身元証明や身元確認を行うことができ、顧客にとってはより簡単に、企業にとってはより安全になります。IDPは、運転免許証やパスポートのようなID文書、あるいは銀行取引明細書や公共料金請求書のような住所証明に必要な文書を取り込み、分類することができます。例えば、自動車局(DMV)が運転免許証の更新に使ったり、銀行が住宅ローンの申請に使ったりすることができます。

OCR vs IDP: 貴社のビジネスに最適な導入手段とは?

OCRは時にIDPプラットフォームと誤解されることがありますが、実際にはIDPの方がはるかに幅広い機能を備えています。OCRは主に、画像や文書から全文を抽出し、コンピューター画面上で転送・編集できるようにすることに重点を置いています。さまざまなフォントスタイル、画像、手書きメモを認識し、編集・検索可能なデジタルテキストに変換します。デジタル・アーカイブ・ソリューションや、優れたテキスト認識、PDF変換、データキャプチャ機能を必要とする支援技術の開発を目指す企業には、OCRソリューションが最適です。ABBYYのOCRソフトウェア開発キット(SDK)を使用して、優れた文書キャプチャ機能を得ることができます。

IDPはOCR技術を包含していますが、人間のようにテキストを分析・解釈できる点において、さらに一歩進んでいます。 自然言語処理、機械学習、人工知能などの高度な技術を駆使し、文書の内容をより包括的に理解します。したがって、IDPは単にテキストを抽出するだけでなく、文脈の理解、データの検証、発見した情報に基づく意思決定を可能にします。IDPは、高度な文書処理、ワークフローの自動化、コンテンツに基づく意思決定を必要とする組織に適しています。ABBYY Vantageのような新しいローコード/ノーコードソリューションを使用することで、企業は事前に学習されたすぐに使用可能な文書処理モデルが搭載されたIDPを導入することができます。あるいは、文書の種類やビジネスニーズに固有の要件に基づいて独自の抽出モデルを迅速かつ簡単に作成することも可能です。

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よくある質問

はい、OCRは多くのIDPシステムにおいて基盤となるものです。テキストの画像(スキャン文書や手書きテキストの写真など)の読み取りができるため、特にスキャン文書や画像ベースの文書を扱う場合に欠かせません。

OCRは文書からテキストやデータを抽出するのに役立ちます。一方、IDPではその情報をAIアルゴリズムによって処理・分析し、データ検証、データ入力の自動化、文書の分類、フィードバックからの継続的学習などのタスクを実行します。

IDPは基本的な文字認識の域を超えています。OCRと自然言語処理(NLP)や機械学習などの高度なAI技術を組み合わせ、文書の内容と文脈を理解します。これにより、IDPはテキストだけでなく、文書内の異なる要素間の意味や関係も抽出することができます。

OCRと比較したIDPのメリットは以下の通りです。

抽出精度の向上: OCRがテキストの画像を機械が読み取れるテキストに変換することに重点を置いているのに対し、IDPでは抽出されたデータをデータベースや過去の記録、文脈情報と相互参照するので精度が向上します。これにより、データの抽出や解釈におけるエラーも減少します。

定型データと非定型データ: IDPは定型データと非定型データの両方を扱うことができます。フォーム、表、請求書、契約書、その他の種類の文書を処理し、構造化された形式でデータを抽出することができます。一方、OCRは画像からの単純な全文テキスト抽出に適しています。

自動化ワークフロー: IDPは、自動化されたワークフローやビジネスプロセスに統合することができます。文書の分類、データ抽出、検証、ルーティングなどのタスクを実行し、手作業の必要性を減らすことができます。これは、効率性の向上と処理時間の短縮につながります。

適応力と学習: IDPシステムは、ユーザーのインタラクションやフィードバックといったヒューマン・イン・ザ・ループ(HITL)のインプットから継続的に学習します。それを通じて、時間をかけて、特定の文書タイプに対する正確さと理解を向上させ、変化する文書フォーマットやコンテンツ構造に適応できるようにします。

複雑な文書タイプ: IDPには、複雑な構造を持つ文書を扱う機能が追加されているため、データ抽出にはさまざまな情報間の関係を理解する必要があります。これには、複数の言語、フォーマット、レイアウトの異なる文書などが挙げられます。

規制対応:IDPは、法律文書、契約書、コンプライアンス関連フォームから重要な情報を正確に抽出 管理することで、組織が規制基準を確実に遵守できるよう支援します。これらを事前に定義されたビジネスルールと照合することができます。

画像処理は、OCRの前段階として使用され、最適なテキスト抽出のために画像を準備します。例えば、斑点や水跡を除去したり、鮮明な画像のために明るさやコントラストを調整したりします。画像処理には、特徴を抽出したり、特定の物体を検出したりしながら、画像が特定の用途に役立つようにさまざまな変更を加えることも含まれます。

コグニティブ・ロボティック・プロセス・オートメーション (コグニティブRPA)とは、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)技術と人工知能(AI)、機械学習(ML)、自然言語処理(NLP)、光学式文字認識(OCR)などのコグニティブ機能との統合を指します。これはインテリジェント・オートメーションとも呼ばれます。

OCR(光学式文字認識)とIDP(インテリジェント文書処理)技術は、RPAシステムの認知能力を高める上で重要な役割を果たします。IDPは、RPAシステムが文書からデータを抽出するだけでなく、情報の文脈や意味を理解することを可能にします。この高度な処理能力により、RPAボットは、定型文書や準定型文書の処理など、より複雑で人間じみたタスクをよりインテリジェントに実行できるようになります。例えば、IDP対応のRPAボットは、請求書からデータを抽出し、事前に定義されたビジネスルールに照らし合わせて情報を検証し、抽出された内容に基づいて意思決定ができます。また、法律上の契約を分析して、主要な条件、義務、期限を特定することもできます。

OCR Intelligent Document Processing (IDP) Intelligent Automation Robotic Process Automation (RPA)
Slavena Hristova ABBYY

Slavena Hristova

ABBYY Vantageグループ、 製品マーケティングディレクター

スラベナ・フリストワは、ABBYY Vantageの製品マーケティングディレクターです。フリストワは、ABBYY Vantage製品ラインのグローバル製品マーケティングを統括しています。市場要件や市場参入戦略の策定から、チャネルパートナー向けの販売支援やトレーニング提供にいたるまで、製品ライフサイクル全体を管理しています。テキスト認識、情報管理、文書管理の分野で製品管理とマーケティングに数年の経験があります。

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