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Insurance | Accounts Payable Automation

生命保険の事務手続きに関するオペレーションの自動化をABBYY FlexiCapture®で実現、高精度な読み取り技術と使いやすいワークフローで約4割の事務作業の効率化を目指す

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生命保険の事務手続きに関するオペレーションの自動化をABBYY FlexiCapture®で実現、高精度な読み取り技術と使いやすいワークフローで約4割の事務作業の効率化を目指す

保険 | 支払業務自動化
生命保険の事務手続きに関するオペレーションの自動化をABBYY FlexiCapture®で実現 高精度な読み取り技術と使いやすいワークフローで約4割の事務作業の効率化を目指す

お客様の概要

氏名 第一生命保険株式会社
本社 東京都千代田区有楽町1-13-1
業界・業種 保険業
ウェブサイト
チャレンジ

紙書類が関係する業務についてOCR導入と内容点検作業の業務効率化が課題

ソリューション

ABBYY FlexiCapture

結果

約40%の事務作業を効率化(見込み)

第一生命保険は、創業以来100年以上にわたって生命保険事業を展開してきた。グローバルカンパニーとして、アメリカ、オーストラリア、アジア各国にグループ会社を設立している。また、資産形成のための貯蓄性商品に特化したフロンティア生命、来店型保険ショップ、銀行代理店販売等への商品提供を目的としたネオファースト生命を設立し、事業領域を広げてきた。

今回、同社の個人保険の事務オペレーションの自動化のため、精度の高いAI OCRを持ち、かつ複数のAI OCRエンジンを使い分けるなどプラットフォームとしての役割を担う製品として、「ABBYY FlexiCapture®」を導入。その導入効果についてお話を伺った。

■事務オペレーションの自動化を目指し、OCR製品導入を検討

「当社では2016年ごろから保険(Insurance)と情報技術(Tech)を組み合わせるInsTechを打ち出し、業務の効率化やお客様サービスの向上に取り組んでいます。2016年にはまだ国内に販売網のなかった海外のRPA製品の検討を開始し、実際に海外に訪問して開発や運用のポイントについてヒアリング等を行い、2017年に導入を実現しました」と語るのは、第一生命保険株式会社 事務企画部事務企画課 マネージャー 岩元 慎弥氏だ。同社の社員は現在約55,000名、そのうち11,000名が内勤職員となる。岩元氏は、内勤職員の業務のうち、個人保険の事務手続きに関する領域についてテクノロジーの活用を推進する役割を担っている。

「100年以上の歴史の中で、基本的な効率化はやりつくされています。テクノロジーの活用なくして、劇的に生産性を向上し、働き方を変える手段はありません」と岩元氏は語る。

対象としているのは、名義変更手続きといった保全・契約サービス、保険料の入金管理、保険金給付金支払といった領域である。こうした手続きには本人確認書類や病院が発行した診断書など、定型・非定型帳票や活字・手書き文字が混在する紙の書類が必要となる。事務処理においてはこうした紙書類の文字をシステムへ入力する作業や、内容を点検する作業が業務を圧迫していた。そこで同社は紙の書類が関係する業務についてOCR導入と、点検業務の自動化を検討してきた。

■他社のOCR製品を選定したが、業務効率化が課題に

事務オペレーションを自動化するには、手書きの文字と非定型帳票を認識できなければいけない。AI OCRは非定型帳票のタイプや手書きで書かれた文字について学習を重ねることで、高い精度で読み取ることができるようになる。そこで岩元氏のチームでは他社製のAI OCRエンジンを2つ選定した。

しかし、それだけでは業務効率化の課題を解決することができなかった。手続きに必要となる書類には定型帳票・非定型帳票が混在するため、すでに選定した他社製のAI OCRエンジン単体では業務を効率化できないからだ。必要に応じてこれらのエンジンを使い分け、不足する機能を補う統合的なプラットフォームが不可欠だった。

また、AIの精度は高くなったとはいえ、100%にはなりえないが、事務手続きにおいては高い精度が求められるという点も課題であった。AIが間違っているかもしれないという理由で、すべての読み取りが合っているか人が確認作業を行うと、AI OCRを導入する意味がなくなってしまう。

そのため同社は業界では初となる「確信度」の仕組みを設計した。各AI OCRエンジンから、読み取り結果についてどれくらい自信があるかを「確信度」という指標で返してもらう。そして統計データをもとに設定した規定の確信度をクリアしたものは人が確認作業をしない、という仕組みだ。しかしこの仕組みを運用するには、確信度を制御し、人手を介さない領域を広げるためのワークフローが必要だった。

■大量かつ複雑な帳票処理にも柔軟に対応、統合的なプラットフォームABBYY FlexiCaptureを導入

このような課題を解決するための製品を探していた岩元氏は、ABBYY FlexiCaptureに注目した。機械学習や自然言語処理を駆使したAI OCRエンジンを備えるパッケージ製品でありながら、同社の業務効率化に求められる「他社のOCR エンジンへの振り分け」「確信度による処理の振り分け」といった複雑な処理にも柔軟に対応できる。

岩元氏は、ABBYY FlexiCaptureのAI OCRの読み取り精度の高さと使いやすいワークフローを高く評価した。

「読み取りについては精度が高く、業務に活用できる水準を満たしていました。その上で複数のOCRエンジンを条件によって振り分け、AIが返す確信度によって分岐を制御するワークフローをパッケージとして持っているということが大きな決め手となりました」と岩元氏は語る。複数のOCRエンジンがそれぞれの役割を担い、AIの確信度によって自動化範囲を拡大する統合的なプラットフォームの構築を目指していたからだ。

さらに読み取った結果を後続のシステムに連携するという要件についても、ABBYY FlexiCaptureでカバーすることができた。後続のシステムは、各種入力作業に加え、免許証の名前と請求書の名前が一致しているか、といった内容を点検する作業の自動化も行う。

「OCRを活用した入力作業の自動化だけでなく後続の点検作業まで含めて自動化しシステムへの投資を回収するのが、今までにない私たちの挑戦でした。」

対象とする帳票は700種類、処理する枚数は年間で1700万枚にも及ぶ。特に保険金・給付金の支払いは止めることはできないため、システムをダウンさせてはならない。「この要件を満たすためには、基幹システム並みの規模でなければなりません。ABBYY FlexiCaptureは大規模なシステムに対応できるという点も魅力でした」と岩元氏は語る。

複雑な要件をカバーしていることによりABBYY FlexiCaptureが選定され、ABBYYの代理店である株式会社PFUのサポートのもとでスムーズに導入された。

■ 高精度な読み取りと使いやすいワークフローで約4割の事務作業を効率化する見込み

こうしてABBYY FlexiCapture によるAI OCRのプラットフォームが実現し、2020年4月に契約サービスの一部についてトライアル運用を開始した。同社では、書類のイメージを読み込んでから内容の点検作業まで自動で処理が終わる確率を「自動化率」と呼ぶが、今回の導入により自動化率は4割に達する見込みだ。

今回、同社はAIが自信のない項目を確認する作業の担当チームを新たに立ち上げているが、立ち上げに必要な研修期間が圧倒的に短期間で済むという効果を岩元氏は実感している。「いろいろな書類を見て判断する点検作業は、知識と経験が必要で、習得までに数か月かかります。今回、知識と経験が必要だった内容の点検作業における人の判断をルールエンジンに置き換えたことで、AIが自信のない項目について見たままの文字を確認するだけでよくなり、スキルレス化できました。これにより、ピークや有事における応援体制の構築のハードルが下がったということと、他の業務に展開する時にも、短い時間で立ち上げることができると思います」

「今後他の業務も順次自動化する予定で、全体の稼働は2022年10月ごろとなる見込みです。ABBYY FlexiCaptureの導入等により自動化率4割を実現する想定のため、人的リソースをお客様サービス等の付加価値を向上する業務へシフトしていく予定です。また、今後個人保険以外の領域の事務作業にも展開できればと考えています」
事務企画部 事務企画課マネージャー 岩元氏


紙の書類が残り、デジタル化が難航している業界も多いなか、ABBYY FlexiCaptureの担う役割についても岩元氏は期待を寄せる。

「今回はすでに我々が独自にOCRエンジンを学習させましたが、自前で用意するのは難しい場合もあります。ABBYY FlexiCaptureは複雑な業務にも耐える柔軟性を持っているので、手書きの文字の対応やさまざまな非定型帳票がパッケージとして組み込まれていると、産業界全体のデジタル化が一気に進むと期待しています」と岩元氏は締めくくった。

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