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数十万件におよぶドキュメントチェックを効率化 ABBYY FlexiCaptureを導入したわけ

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数十万件におよぶドキュメントチェックを効率化 ABBYY FlexiCaptureを導入したわけ

石油関連 | 文書処理
数十万件におよぶドキュメントチェックを効率化 ABBYY FlexiCaptureを導入したわけ

お客様の概要

氏名 日揮ホールディングス株式会社
本社 〒220-6001 神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-1
製品とサービス オイルやガス分野におけるインフラの総合エンジニアリングをはじめ、機能 材製造やエネルギー・環境コンサル
ウェブサイト
チャレンジ

膨大な数の確認作業と絶対的な正確性が必要とされる精神的な負荷の軽減が課題

解決策

ABBYY FlexiCapture

結果

50%以上の業務時間削減で高効率化を達成

1928年(昭和3年)に創立された日揮ホールディングス株式会社(※1)は、オイルやガス分野におけるインフラの総合エンジニアリングをはじめ、機能材製造やエネルギー・環境コンサルティングなど幅広い事業を手掛けている。時代の最先端でグローバルに展開する企業として同社では現在までに業務の多くをデジタル化してきたが、それでも手作業を必要とすることも少なからずあり、業務効率化が必須となっていた。そこで同社が取り入れたのが、AIOCR(Optical Character Reader)として注目されるABBYY FlexiCaptureである。人間の“目”が担っていた膨大な業務をデジタル化する以前にあった課題は何か、導入成功のポイントはどこか、どれほどの効率化が達成できたのか、それぞれの担当者にお話を伺う。

ドキュメントの目視にかかる時間・労力の軽減

「日揮ホールディングス株式会社の代表的な事業であるプラント関連サービスでは、お客様 に納品する図面などのドキュメント類が通常で数万、大規模プロジェクトともなると数十万 ファイルになります。従来それらを逐一目視で確認していたのですが、業務にかかる時間・労力は決して小さくありませんでした」
オイル&ガス統括本部 PM技術部 ドキュメントマネジメントチームの村上佳寿子氏 は、ABBYY FlexiCaptureの利用開始前にあった課題についてこう話す。

ドキュメントの数量が多くなるのは、プロジェクト遂行中の設計変更を随時反映させる必要があるからだ。加えて、チェック数は出社後でないと把握できず、かつ数量も数十枚から数百枚とその日によって異なるため、膨大な数の確認作業を行うときには他の担当者に応援を頼まざるを得ない状況も生じていた。

また、デジタル処理されたファイルであってもコンピュータが文字を認識できないケースが多くあり、それらを逐次手作業で確認・転記する作業も手間と時間を消費する一因だった。こういった実作業と同時に、プラントの安全性や品質を担保するために絶対的な正確性が必要とされるという精神的な負荷の軽減も課題として挙げられていたという。

 分かりやすいインターフェースと操作の柔軟性が決めて

データインテリジェンス本部 DIプランニング部エンジニアの喜多陵氏は、自社で立ち上げられる、プラントの設計・調達・建設といったプロジェクトのマネジメント技術を向上させるた めに早くからITを活用してきた歴史があることを前置きして、ABBYY FlexiCapture導入の背景を話してくれた。

日々革新を続けるAIやIoTなどのデジタル技術の積極的な活用を目的として、同社では2018 年に『ITグランドプラン2030』を策定しました。その具体的な活動の一環として挙がったのが単純作業を減らす取り組みです。新技術で業務効率を改善するための方法や具体的なツー ルの検討を行うITエンジニアとして喜多氏が着目したのも、ディープラーニングによって高精度な画像認識を可能とするAI-OCRだったのだ。

新しい技術の活用を迅速に決断できた理由を伺うと、村上氏の言葉にもあったように、プラント設計におけるファイルの管理・更新は目視に依るところが大きかったことから、「予測の段階から早期に効果が出る感触があり、実際に試算したところ投資対効果の視点から十分に満足いく結果が得られると判断されました」(喜多氏)

そこでABBYY FlexiCaptureのどのようなソリューションに魅力を感じて選定に至ったのか、喜多氏はまず「ABBYY FlexiCaptureが他の製品よりも優れているのは、やりたいことがすぐにできるユーザーインターフェースや、AIが自信のない結果は表示が赤くなるなどの分かりやすさです」と教えてくれた。

自分たちが実現したいと考える作業がほとんどできることや、機能を部分的に活用できるこ と、ベンダーに依頼しなくても社内で設定を行える柔軟さなども選定の決め手になりました。制約が少なく必要な機能だけを自分たちで使いこなせるからこそ、期待する効果が得られやすい。

「一部だけの機能を使用したくてもできなかったり、設定はベンダーに依頼しなければならなかったりすると、多くの制約を受けることになってしまい、期待したような効果が得られなかったでしょう」(喜多氏)

喜多氏によれば「現時点では精度についてはまったく不満はない」とのことで、ABBYY FlexiCaptureはその扱いやすさから短期間で信頼を勝ち取ったと言って良いだろう。

50%以上の業務時間削減で高効率化を達成

開発を担当したオイル&ガス統括本部 PM技術部 ドキュメントマネジメントチーム 井上照 珠氏は、ITやOCRの知識はそれほどなかったものの、4~5時間ほどのトレーニングを5日間受講した後はマニュアルを見ながら開発を進めたという。

「ドキュメントの種類によって、取得したい情報の記載場所がまちまちだったため、スムーズに自動取得できないこともありました。設計部門にOCR導入の意義を理解してもらい、OCRを前提にしたテンプレートを使用してもらうことで解決しました。プロジェクトの全てが新テンプレートで統一されるまでの過渡期は難しかった」と井上氏。

これにより、今まで1人で100枚のドキュメントをチェックするのに1時間ほど費やされていたのが、設計者への差し替え依頼も含めて約30分に短縮した。

導入効果としては他に心理的な負担の軽減も挙げられた。納品の遅れはプロジェクトの完了日にも大きく影響しますが、目視だと見逃す可能性も皆無ではなく、万が一にもミスがあってはいけないという緊張感は、常の業務であるとは言えかなりの重圧にもなっていた。

同社はドキュメントチェックにおける時短と担当者のプレッシャーの軽減という2つの導入効果を実現した。

現在はかなりイレギュラーなケースでも文字認識が可能となり、ファイルの枚数が増えるほど導入効果が実感できるそうだ。

今後はAI-OCRを使ったチェックツールをRPAと組み合わせて活用していきたい。管理システムに登録する前に現場で確認できれば、ドキュメントマネジメントとエンジニアの両方の手間を減らせます。また、デジタル技術はより客観性が強調され、問題箇所の指摘なども感情に左右されずに行えると心理的なプラス効果も期待しています。

「私がもし設計する立場なら、指摘は必要なことだとはいえネガティブな気持ちになってしまうだろうと想像しています。OCRやRPAなどデジタル技術の導入は、気持ちの面でも社内に好循環を生み出してくれることと期待しています。」
(村上氏)

大量のドキュメント管理に課題を抱える企業にとって、同社の事例は参考になる部分が多い。

※1:2019年10月「日揮株式会社」より商号変更。

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